NYダウのチャートを見るときれいな右肩上がりですよね。リーマンショックや原油価格の暴落などいろいろあっても最終的には上昇しているNYダウは強いですね。
今回はそんなNYダウに焦点をあてて米国経済などについて覚書として書いておきます。
米中の貿易摩擦解消の動きを受け、NYダウは8月に最高値更新か。
・6/1に発表された5月の雇用統計で景気拡大と低インフレが確認できたことを好材料として株高傾向。
・6/5のザラ場中にナスダック総合指数が最高値を更新。翌日6/6には三か月ぶりにNYダウが25000ドル台に突入し、堅調な動きか。
・当面は貿易摩擦の影響を受けにくいグロース銘柄が上昇基調になると予想される。
・ネットフリックスやアドビシステムズ、エヌビディア等の大型で成長性の高いグロース銘柄が相場の戻りに貢献している。
・今後も貿易摩擦の懸念継続により、グロース株に資金が向かいやすい状況が続くであろう。
貿易摩擦について
■米国と関係国の貿易摩擦について
・メキシコ政府が6/5に対米報復関税リストを公表
・欧州委員会が6/6に対米報復関税の第1弾を7月から発動する方針を決定
→上記の影響を受ける企業は一部に限定される見込み。具体的には鉄鋼メーカー、農業、蒸留酒メーカーが影響を受けるのではないか。一部に限定されることで、メキシコと欧州による報復関税報道が出ても、米国株式は堅調に推移した。
・米国による対中制裁、25%の追加関税を課す中国製品の最終リストを公表する期限が6/15である。
→中国側は追加関税発動の見送りをしてほしい。そのために、年間700億ドル相当の米国農作物やエネルギー製品等の輸入増を提案した。しかし、米国が中国に要求している2000億ドル(対中貿易赤字の金額)には足りないことを踏まえると米国側が中国側の提案をのむかは懸念が残る。
結果として、貿易摩擦の懸念は当面残りそうなことにより、グロース株に資金が流入する展開は続きそうである。
NYダウは8月に最高値更新の動き?
・米国企業の業績は、設備投資や歳出拡大により当面好調を維持しそうである。
・貿易摩擦懸念が薄まっていくにつれ、株価は企業業績を反映した動きをとるようになり、NYダウ夏には最高値を迎えるのではないか。
・6/12~13開催のFOMCで、年内の利上げが4回に引き上げられるかが注目される。今のところ4回以上利上げを織り込みで動いているが結果次第で様子が変わるであろう。利上げの後押し材料として、5月の雇用統計では雇用者数が予想を上回り、失業率も18年ぶりの水準に低下したことで、賃金も上昇が見込める。
■外的要因
・欧州政治不安は後退へ。イタリアの連立政権発足や、スペインでの政権交代が円滑に実現したことが要因。
米中通商問題について
・6/15の追加関税対象項目の発表に注目したい。米国は追加関税の対象品目を選定した後、速やかに関税措置を発動するとみられている。
・第2回米中通商交渉(5/17~18)では中国が米国製品やサービスの大幅な輸入拡大で合意
・中国側は約1,500品目の輸入関税の税率引き下げ等実施を提案→米国が関税等の制裁措置を導入するなら通商合意は無効と警告。
・中国側は追加関税発動の見送りをしてほしい。そのために、年間700億ドル相当の米国農作物やエネルギー製品等の輸入増を提案した。しかし、米国が中国に要求している2000億ドル(対中貿易赤字の金額)には足りないことを踏まえると米国側が中国側の提案をのむかは懸念が残る。
米国経済は堅調 政治リスクが気にかかる
・2018年1-3月期の実質GDP(改定値)は前期比年率+2.2%
・個人消費は4月にかけて持ち直してきている。年初の低迷していた状況が一時的であったとみなされた。
・5月の非農業部門雇用者数は前月比+22.3万人、失業率は3.8%と2000年4月以来の水準に低下。
・減税や歳出拡大といった積極的な財政政策が米国経済を後押しする。
6月FOMCで利上げの可能性が高い、今後の利上げペースに注目
・6/12~13に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%の追加利上げが決定される可能性が濃厚。市場の関心は今後の利上げペース、具体的にはFOMC参加者の政策金利見通しに変化があるかどうかという点になるであろう。
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