こんにちは、元証券マンのえっちょです。
最近ライザップの株価の上昇っぷりがすごかったので色々と調べて見ました。
噂では東証へ今期中に鞍替えするのでは?とか様々な情報が錯綜してますね。
そこで今回は、そもそも東証に上場する条件を満たしているのかを検証していきたいと思います。
※2017年12月2日に公開した記事ですが、株価の更新や分割等が行われ、内容が変化しました。その他の部分も修正して2018年5月28日、2019年1月10日に再度公開しました。
東証へ上場するための条件について
東証へ上場するためには形式要件と適格要件の2つがあります。
次の画像はJPX(日本取引所グループ)のHPに記載されている上場要件です。
この画像が形式要件ですね。
買いてあるのは株主数が何人以上必要とか、時価総額がいくら以上必要とかです。
上の画像が適格要件です。
こちらには企業が継続的に安定して収益を上げることができるのか、
内部体制はしっかりしているのかとかそんなことが書かれています。
これだけを見てもよくわからん!となるかと思いますのでもう少し詳しく見てみましょう。
ちなみにライザップ知らない人はいないと思いますが、こちらから具体的なモデルを見ることができます。↓↓
上場要件をライザップグループのIR資料を見て比較してみる
形式要件の上から順に見ていきましょう。
①株主数(推定時見込み)2200人以上
ライザップの株主数は4万人以上のため余裕でクリアしてますね。
※2019/1/9追記
上の画像は2017年12月作成時の株主数です。
分割が行われたのは2018年8月でしたので、最新の(2018年10月)時点での株主数を見てみましょう。
株主数を調べる時には企業が提出している有価証券報告書を確認すればいいのですが、最新の有価証券報告書では2018年9月時点での株主数しか載っていませんでした。
ですので2018年9月時点での株主数を調べてみました。
2017年3月時点で4万人以上いた株主は2018年9月時点で9万人以上に増えています。
そもそも2200人以上であればいいので、この項目に関しては全く問題なくクリアしていますね。
②流通株式等(指定時見込み)
- 流通株式数 2万単位以上
- 流通株式時価総額 20億円以上
- 流通株式数(比率) 上場株券等の35%以上
1.流通株式数が2万単位以上に関しては
文字通り市場に出回っている株数が2万単位以上あればいいんです。
ちなみにライザップは100株単位なので2万単位とは200万株ですね。
流通株式は
1億2746万株(発行総数)×17.5%(浮動株)=2230万5500株
あるため条件はクリアしていますね。
※2019/1/9追記
流通株式数を最新版で計算しました。(2018年10月)
発行総数が5億5621万8400株で浮動株が13.5%なので、流通株式は7508万9484株です。200万株以上の流通株式があればOKなので、この条件も問題なくクリアしていますね。
2.流通株式時価総額 20億円以上
これは余裕でクリアしてますね。現在の株価が2480円なら時価総額は6300億くらいあります。
※2019/1/9追記
流通株式時価総額は7508万9484株×250円=187億7237万1000
株価が今の値から半値になっても流通株式時価総額は20億以上あるので余裕でクリアしてますね。
3.流通株式数(比率) 上場株券等の35%以上
流通株式数は上の画像の通りに計算できます。
流通株式数=254872000(上場株式数)ー{37514000(役員所有株式数)+200(自己株式数)+44343600+37514000(上場株式数の10%以上を所有する者が所有する株式数)}
=254872000ー119367800
=135504200
1億3550万4200株は上場株式数の53%に当たるため条件をクリアしていますね。
【上場株式数の10%以上を所有する者が所有する株式数】がポイントですね。
※2019/1/9追記
流通株式数=556218400(上場株式数)ー{150050000(役員所有株式数)+900(自己株式数)+177374400+(上場株式数の10%以上を所有する者が所有する株式数)}
=228793100
2億2879万3100株は上場株式数の41%程度になるので条件をクリアしていると思われます。
今回は素直に計算しましたが、
画像の条件にCBM株式会社の保有分が当てはまるかどうかは確認中です。
CBM株式会社とはライザップの社長が代表で経営している資産運用会社です。
③売買高 申請日の属する月の前の月以前3ヶ月間及びその前の3ヶ月間の月平均売買高が200単位以上
200単位以上ということは、3ヶ月間の出来高が2万株以上であればいいということですね。
今年に入ってからの月間出来高が上の画像なのでこちらも条件をクリアしていますね。
※2019/1/9追記
2万株以上の出来高は余裕であるので大丈夫です。
④時価総額(推定時見込み) 40億円以上
上の画像の株価で7000億円以上なので余裕のクリアです。
株価が10分の一になってもクリアしてますね。
※2019/1/9追記
2019年1月9日時点での終値がちょうど250円でした。なので時価総額は1390億程度と計算できます。
株価が今の値から10分の1になっても時価総額は20億以上あるので余裕でクリアしてますね。
⑤純資産の額(指定時見込み) 連結純資産の額が10億円以上 (かつ単体純資産の額が負でないこと)
PBRから逆算して求めてみます。
PBR=株価/一株あたり純資産(BPS)
ざっくりですが、34=2940/BPSと計算でき、BPS=86になります。
BPS=純資産/発行済株式数で求められるので
86=純資産/254872000なので、
純資産=219億1899万円程度になります。
こちらもクリアですね。
※2019/1/9追記
PBR=株価/一株あたり純資産(BPS)
ざっくりですが、2.6=250/BPSと計算でき、BPS=96.2になります。
BPS=純資産/発行済株式数で求められるので
96.2=純資産/556218400なので、
純資産=535億821万円程度と計算できます。
この条件もクリアしていますね。
⑥利益の額又は時価総額 (利益の額については、連結経常利益金額に少数株主損益を加減)
次のa又はbのいずれかに適合すること
- 最近2年間の経常利益の合計5億円以上
- 時価総額が500億円以上(最近1 年間における売上高が100 億円未満である場合を除く)
これはあっさりですね。
今期分の経常益が43億くらいあるので条件aをクリアしますね。
※2019/1/9追記
売上時価総額ともに1000億以上なので大丈夫ですね。
⑦虚偽記載又は不適正意見等
- 最近5年間の有価証券報告書等に「虚偽記載」なし
- 最近5年間「無限定適正」又は「除外事項を付した限定付適正」
- 次の(a)及び(b)に該当するものでないこと(a)最近1年間の内部統制報告書に「評価結果を表明できない」旨の記載(b)最近1年間の内部統制監査報告書に「意見の表明をしない」旨の記載
これは私にはわかりません(笑)
東 邦 監 査 法 人
指定社員 業務執行社員 公認会計士 矢 崎 英 城
指定社員 業務執行社員 公認会計士 神 戸 宏 明
指定社員 業務執行社員 公認会計士 木 戸 秀 徳
この方達がきちんとした監査をしていることを祈るしかできませんしね。
⑧単元株式数(推定時見込み) 100株
クリアしてますね。
上記の通りであれば形式要件はクリアしていることになります。
次は適格要件を見ましょう。
適格要件
企業の継続性及び収益性 | 継続的に事業を営み、かつ、安定的な収益基盤を有していること |
企業経営の健全性 | 事業を公正かつ忠実に遂行していること |
企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性 | コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制が適切に整備され、機能していること |
企業内容等の開示の適正性 | 企業内容等の開示を適正に行うことができる状況にあること |
その他公益又は投資者保護の観点から東証が必要と認める事項 |
と上記のようになるのですが、正直これらに関しては調べようがないので割愛しますね。
色々書きましたが、個人的には東証に移動してもおかしくはないかなと思います。
気になる点は、
CBM株式会社の位置付け
札幌証券取引所のアンビシャスには8社しか上場企業がなく、
画像のようにほとんどがライザップグループの取引だという点。
今年の8月に株式分割をしていること(9月の決算前に反映するのを狙ったような時期ですね)
なので3月の決算に間に合わせることを考えれば、来年の2月に株式の分割やそれらしい動きがあれば、東証に移動しようとしていることのサインになるのかなーと思います。
(2018/5/28追記)
ライザップ動きが出てきましたね。カルビーの会長をライザップのCOOに据えたり、株式の1:2の分割を行うようです。さらに2027万株の新株発行とかいろいろ派手に動いてきました。年内中に東証に鞍替えする感じなんですかね。株価がパッとしなかったので今後に期待です。
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