日経平均銘柄の入れ替えが起きた時に起こる変動について

日経平均の銘柄は原則として年1回10月の第一営業日に定期的に見直されます。(見直しがない年もあります。)

その際、現状の225銘柄をベースに、「選定基準」によって除外・補充銘柄を選んでいます。

除外・補充銘柄は市場での流動性セクター(産業分類)間のバランスを考慮して決定します。

例えば、指数構成銘柄であるa,b,cの中でcを除外してdを新たに指数構成銘柄として採用することになったとします。銘柄が違うので株価も異なり、$$ y_c\neq y_d$$

です。仮に、

$$Δ=y_c-y_d\gt 0$$

であるとします。

つまり、除外銘柄の株価のほうが採用銘柄の株価よりも高い状況である場合です。この場合

$$旧平均=\frac{y_a+y_b+y_c}{3}\gt 新平均=\frac{y_a+y_b+y_d}{3}$$

となり、銘柄を入れ替えることにより株価平均が下落してしまいます。

この下落は市況とは全く関係ないものであるため、望ましくないです。

銘柄を入れ替えたとしても、株価平均が変化しないようにするにはどのような方法が考えられるでしょうか。

スポンサーリンク

株価修正アプローチ(1):加算法

 株価平均が変化しないようにするために、新たな指数構成銘柄のydではなく、$$y_d+Δ(=y_c)$$

を分子に加えるというアプローチが考えられます。この場合、ydを使った平均は次のようになります。

 このアプローチでは、分子の株価合計値が変化しないので、銘柄を入れ替えたとしても株価平均は変化しないので

$$y’_i=y_i+\frac{Δ}{3}, (i=a,b,d)$$

とすると、$$\frac{y’_a+y’_b+y’_d}{3}$$

となります。

株価修正アプローチ(2):乗算法

上記のアプローチは分子に整数項(Δ)を加えるという修正を施すものでした。

これに対して、分母(除数)を修正して株価平均を変化させないという考え方もあります。

後に示すようにこのアプローチは、分子に整数項を加える代わりに分子の各項を一定倍することにより調整しようというものです。

このアプローチでは、次の方程式を満たすように分母Dを決定するものとします。

$$N=\frac{y_a+y_b+y_c}{3}=\frac{y_a+y_b+y_d}{D}$$

この式を解くと次の2つの式を得ることができます。

$$DN=y_a+y_b+y_d$$

$$3N=y_a+y_b+y_c$$

辺々引くと、

$$DN-3N=y_d-y_c$$

両辺をNで割って整理すると、

$$D=3+\frac{y_d-y_c}{N}$$

となります。この計算ルールによると除数の更新は、$$(D=3+\frac{y_d-y_c}{N})$$括弧内の式のように、次の計算式によることになります

$$新除数=旧除数+\frac{新規採用銘柄の株価合計-除外銘柄の株価合計}{日経平均株価}$$

除数を変更するこのアプローチは、次のように、分子の部分を一定倍して株価を修正し、その修正した株価の算術平均であると考えることができます。

$$N=\frac{y’_a+y’_b+y’_d}{D}=\frac{3}{D}\times\frac{y’_a+y’_b+y’_d}{3}$$

$$=\frac{y”_a+y”_b+y”_d}{3}$$

ここで、

$$y”_i=\frac{3}{D}\times y_i= ky_i       (i=a,b,c)$$ 

となります。

このように除数によるアプローチは、指数構成系列の株価を一定倍して平均をとるアプローチだとみなすことができます。

このように考えると、日経平均は(様々な修正を施した後の株価ではあるが)225銘柄の株価の算術平均であると言えます。

修正アプローチに関する補足

ここまで加算法、乗算法という2つの修正アプローチについて説明しました。

この他に$$k”=\frac{y_c}{y_d}$$

と定義して、除外銘柄の代わりにk”ydを使うアプローチも考えられます。

問題は、新規採用銘柄のみに銘柄入替に伴う歪みの修正を負担させるかの選択ということにですが、1銘柄だけに負担させる積極的な理由はないと思われます。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする